患者ケアを学ぶことができる
POSを学ぶことでその患者さんに対するファーマシュ-ティカルケアの方法を整理しやすくなります。お薬を渡して説明するだけでない薬剤師になるには大切な学問です。
チーム医療の大切な一員になる
地域包括ケアが本格化するこれからにおいては、病院薬剤師だけでなく薬局薬剤師も他医療従事者がどういう方法で患者さんをフォローしていたかを知ることが重要です。大切な医療連携のツールになります。
患者中心の思考に整理される
POSはその人の健康上の問題点をベースにフォローしていきます。薬学的視点だけでなく、患者さんの心理状態に基づきフォローもしていくので患者さんに寄り添ったケアが自然にできるようになります。
POSを学んで、チーム医療に貢献する
POSとは
Problem Oriented System ;POSは1968年にアメリカの内科医ウィードによって提唱され、日本語では「問題志向型システム」と言われています。
薬剤師が行うPOSは、患者さんの持っている薬学的な問題を的確に抽出し、その問題を解決していく事をさします。
記録のためのPOSではなく、より良いファーマシュ-ティカルケアを実践するために、POSの考え方によって得られたデータを、整理・分析していく方法を用います。その中で、特に薬剤師の判断・評価を行う、アセスメントの部分を大切にしています。
代表幹事からのご挨拶
POSとは、個々の患者が持っている医療上の問題に焦点を合わせ、その問題を解決することで最高のケア(best patient care)を目指す一連の作業システムです。このシステムは単に医療記録を作ることではなく、患者情報の収集から問題点の抽出、解決のためのプロセスと思考を正確に記録し、その記録を基に実施したプロセスを監査し見直すことで、より科学的な根拠に基づく患者ケアを実践する仕組みを提供するものです。POSは、1972年に日野原重明先生により日本に広められました。それから45年が経ち薬剤師にとっても非常に力強いツールとなっています。
当研究会は1996年に創設され、平成28年度までに98回の研修会を実施しております。本年度は第100回を迎える年となり、幹事一同張り切っております。
近年、医療を取り巻く環境は大きく変化し薬剤師への期待が高まっています。病院薬剤師は入院患者に対して、保険薬局薬剤師はかかりつけ薬剤師として在宅患者に対して、医薬品の適正使用および効率的な使用のためにより貢献することが求められています。また急激な少子高齢に伴い、各地域での地域包括ケアシステムの構築が進められるなか、今後両方の立場の薬剤師が共同で患者の生活と人生に寄り添いながら、身体状況や生活環境に合わせて解決すべき問題点を見つけ薬物治療に介入することが果たすべき役割になっています。疾患の治療のために個々の患者ごとの問題点を明らかにし解決していくための強力なツールとしてPOSは益々重要になると考えています。
今後も本研究会は薬剤管理指導を行うに当たって必要な患者ごとの問題把握から解決に至るプロセスを座学とスモールグループディスカッション形式で分かりやすくお伝えしていきます。「新人薬剤師が基礎を学ぶ」、「中堅薬剤師が若手薬剤師への指導法を学ぶ」、「現場の薬剤師が学生実習生への教育法を学ぶ」などの機会としてぜひご活用ください。皆様のご参加を心からお待ちしております。
POS薬剤研究会 代表幹事
社会福祉法人ワゲン福祉会総合相模更生病院 薬剤部部長 稲葉健二郎
関連組織のご案内
諏訪堂株式会社 諏訪薬局
朝霞台中央総合病院
国保松戸市立病院
アクア薬局(KYメディカル株式会社)
(以上18関連施設 順不同)
お問い合わせ
POS薬剤研究会事務局
総合相模更生病院薬剤部
http://www.sagami-kouseibyouin.or.jp/
Mail: posyakuzai@hotmail.com
Tel: 042ー752ー1805
Fax: 042ー752-1178